秘伝Ｃ言語問答 ポインタ編

本書の概略 はじめに 目　次 本　文 ダウンロード 発行日・履歴 著書のページ

はじめに
　この数年来、Ｃ言語がブームになっています。しかし、本当にＣ言語を理解してプログラミングしている人はどのくらいいるでしょうか。見よう見まねでプログラムを作成している人があまりにも多いようです。たとえば、本書の第0章はテスト問題です。すべての問題の解答がわかる人はあまりいないと思います。
　本書はいわゆる『Ｃ言語入門書』の類ではありません。1冊の本でＣ言語のすべてを解説することなど不可能です。事実『入門書を読んで、Ｃのさわりだけは理解できたけれど、次にどのような勉強をすればよいかわからない』という人が多いようです。
　本書はテーマをポインタおよびその関連事項に絞っています。このように１つの言語の一部分のみを題材にした本はこれまでなかったようです。ポインタについてよくわかっていなくとも、ある程度まではＣ言語でプログラミングすることができますが、どこかに限界があるのはまちがいありません。ポインタから逃げてはいけません。自ら果敢に挑戦しましょう。
　この本は、Ｃ言語で最大の難関といわれるポインタの攻略法のコツなどの【秘伝】を伝授しています。
　テーマをポインタに絞ったとはいえ、たとえば、リスト処理や8086処理系特有のポインタなどの応用範囲もカバーしています。Ｃ言語をポインタという視点から広く深く解説しています。
　ですから、初心者ならば、ポインタを理解・征服して中級者にステップアップするための架け橋の手引書として、中級者ならば、曖昧な知識を克服してより理解を深めるために、上級者ならば、ANSIとK&Rの相違点を把握し、ANSIに慣れるために、といった具合にあらゆるレベルの人に本書が役に立つと思います。
　著者自身としては、この数年間に渡る後輩（大学4年生および大学院修士課程学生）へのゼミでのＣ言語の指導を通じて、初心者がわかりにくい点・まちがいやすい点などをかなり把握することができたと思っています。それらのポイントの解説書として作成していた小冊子からポインタに関する事項のみを取り出して大幅に加筆し、まとめなおしたものが本書です。
　本文の大部分は、問答形式となっています。質問者は、Ｃ言語がよくわかっていないので、いろいろな質問をしますが、初心者が陥りやすい点を突いた鋭い質問をしたりします。解答者の解答は、初心者に対する解答ですから、やや厳密性に欠ける箇所もありますのでご了承ください。関連事項・より詳細な解説などはコラムとして掲載しています。中級者以上の方であれば、コラムを読むだけでも役に立つと思います。また、Ｃ言語の指導をされている方であれば、本書の解説の仕方などが参考になるでしょう。
　Ｃ言語ファンの一人として、本書が一人でも多くの方の正しいＣ言語理解の手助けとなることを希望します。

本書の概略 はじめに 目　次 本　文 ダウンロード 発行日・履歴 著書のページ