第2種情報処理技術者試験 1996年度 = 平成8年度・春期 午前 問52

 図のように、コンピュータA、B及び2台のプリンタがLANで接続されているシステムがある。コンピュータBから印刷指令を出し、コンピュータA上にあるデータをプリンタ1に印刷し、プリンタ1が故障しているときは、プリンタ2に印刷するように制御する場合、このシステム全体の稼働率は幾らか(小数点以下3けた目を四捨五入し、小数点以下2けたまで求める)。
 ここで、それぞれの機器の稼働率は次のとおりとし、LANの故障は発生しないものとする。
  コンピュータA  0.9
  コンピュータB0.9
  プリンタ10.8
  プリンタ20.8


 ア 0.52  イ 0.63  ウ 0.71  エ 0.78  オ 0.85

解答

 エ

解説

         ┏━━━━━┓          ┏┫プリンタ1┣┓ ┏━━┓┏━━┓┃┗━━━━━┛┃ ┫ A ┣┫ B ┣┫       ┣ ┗━━┛┗━━┛┃┏━━━━━┓┃         ┗┫プリンタ2┣┛          ┗━━━━━┛ 

 LANで接続されたシステムの稼働率を求める問題です。模式的な図に惑わされることなく、本文をしっかり読んで接続状況を理解する必要があります。
 コンピュータBから指令を出してコンピュータA上のデータを印刷しますから、両者が稼働しなければ処理のできない直列接続であることが分かります。一方、プリンタはいずれか一方が稼働していればよい並列接続です。
 接続状況は、右図のようになっているわけです。
並列システム
 どれか一つの装置が稼働していれば、システムとして稼働しているとみなせます。

  ┌────┐    ┌┤ 装置A ├┐   │└────┘│   │┌────┐│  ─┼┤ 装置B ├┼─  │└────┘│   │┌────┐│   └┤ 装置C ├┘    └────┘  

 システム全体の稼働率は、以下の式で求められます。
  1-(1-装置Aの稼働率) × (1-装置Bの稼働率) × …
直列システム
 直列システムでは、どれか一つの装置が故障すると、システム全体として稼働できなくなります。

 ┌────┐┌────┐┌────┐  ─┤ 装置A ├┤ 装置B ├┤ 装置C ├─  └────┘└────┘└────┘ 

 システム全体の稼働率は、以下の式で求められます。
  装置Aの稼働率 × 装置Bの稼働率 × …

 したがって、本問で問われている稼働率は、以下のように求められます。
  0.9 × 0.9 ×{1 - (1-0.8)×(1-0.8)} = 0.7776 ≒ 0.78


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