第2種情報処理技術者試験
1999年度 = 平成11年度・秋期
午前
問40
ハイレベルデータリンク制御手順(HDLC手順)で伝送される情報単位(フレーム)のうち、誤り検出に用いられるフィールドはどれか。
┌─┬─┬─┬──────────┬──┬─┐ │F│A│C│ I │ FCS│F│ └─┴─┴─┴──────────┴──┴─┘
ア A
イ C
ウ FCS
エ I
解答
ウ
解説
伝送制御手順の一方式である
ハイレベルデータリンク制御手順
=
HDLC
(
high-level data link control
)は、ベーシック手順に比べて優れており、次のような特徴があります。
OSI基本参照モデルのデータリンク層のプロトコルとして用いられる。
両端をフラグシーケンスで囲んだ、以下に示すフレームと呼ばれる一定量を連続送信する。
フラグシーケンス
アドレス部
制御部
情報部
FCS
フラグシーケンス
01111110
8ビット
8ビット
任意長
16ビット
01111110
フレームの応答は受信フレームのまとまりに対して最後の1回でよく、確認応答を待つことなく連続送信できるため、伝送効率がよい。
フラグシーケンス以外で1ビットが5個以上連続する場合に0ビットを挿入し、その0を受信側で削除するため、文字符号だけでなく任意のビットパターンの伝送が可能である。
誤り制御方式として、単純なパリティチェック方式よりも高度な
巡回冗長検査方式
=
CRC
(
cyclic redundancy check
)が採用されており、アドレス情報や制御情報なども検査の対象となっているため、信頼性が高い。
受信側で
フレームチェックシーケンス
=
FCS
(
frame check sequence
)を用いて誤り検出すると、送信側へフレームの再生を依頼する。
同期の維持または適切な遅延時間をつくるために、フレームとフレーム間に
タイムフィルタ
を挿入する。
HDLC方式で採用されているのは、16ビットの
巡回冗長検査方式
=
CRC
(
cyclic redundancy check
)です。アドレス部、制御部、情報部を対象に、生成多項式
X
16
+ X
12
+ X
5
+ 1
を用いて、
フレームチェックシーケンス
=
FCS
(
frame check sequence
)を計算します。なお、高度な信頼性が要求される場合の拡張仕様として32ビットを使用することもあります。