第2種情報処理技術者試験 2000年度 = 平成12年度・秋期 午前 問79

 特許権と著作権の比較に関する記述のうち、適切なものはどれか。

 ア  特許権の場合、独自の発明の実施であっても、先に権利を取得した人がいれば権利の侵害になるが、著作権では、独自の創作であれば、結果として同じものを創作しても権利の侵害にはならない。
 イ  特許権は自然法則を利用した新規性、進歩性のあるアイデアを保護し、著作権は創造性のあるプログラム言語や規約を保護する。
 ウ  特許権は、特許庁に出願し、審査を経て登録されたときに権利が発生するが、プログラムの著作物については、文化庁長官の指定する登録機関に登録するだけで著作権が発生する。
 エ  特許法も著作権法も、法の目的は権利を保護することによって産業の発展に寄与することである。

解答

 ア

解説

 著作権は、小説、音楽、プログラムなどの知的創作物に対する経済的・文化的価値を保護する権利です。日本国内においては、著作物に著作権表示が明記されていなくても著作権が発生します。なお、創作時点で権利が発生し、その保護期間は、著作者が個人であれば死後50年間、法人であれば公表後50年間です。
 著作権法では無断複製や改変を禁止しています。

 特許権の場合、独自の発明の実施であっても、先に権利を取得した人がいれば権利の侵害になるが、著作権では、独自の創作であれば、結果として同じものを創作しても権利の侵害にはなりません。

 特許権は自然法則を利用した新規性、進歩性のあるアイデアを保護し、著作権は創造性のあるプログラム言語や規約を保護しません。

 特許権は、特許庁に出願し、審査を経て登録されたときに権利が発生しますが、著作権は、登録の必要はなく創作した時点で権利が発生します。

 特許法も著作権法も、法の目的は権利を保護することによって産業の発展に寄与することではなく、発明者や著作者およびその権利の保護です。


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