基本情報技術者試験 2001年度 = 平成13年度・春期 午前 問39

 4台の処理装置A~Dからなる多重プロセッサシステムがある。次の2通りの動作条件①、②を比較した場合、条件①の稼働率は条件②の稼働率の約何倍か。ここで、各処理装置の稼働率はいずれも0.9、処理装置以外の部分の稼働率は1.0とする。

〔動作条件〕
 ①  1台以上の処理装置が正常に稼働すればよい。
 ②  すべての処理装置が正常に稼働しなければならない。

┏━━━━━┓ ┏━━━━━┓ ┏━━━━━┓ ┏━━━━━┓ ┃処理装置A┃ ┃処理装置B┃ ┃処理装置C┃ ┃処理装置D┃ ┗━━┳━━┛ ┗━━┳━━┛ ┗━━┳━━┛ ┗━━┳━━┛    ┃       ┃       ┃       ┃      ┏┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻┓     ┃           メモリ           ┃     ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛  


 ア 0.5  イ 1.5  ウ 3.0  エ 4.0

解答

 イ

解説

 多重プロセッサシステムの稼働率を求める問題です。模式的な図に惑わされることなく、本文をしっかり読んで接続状況を理解する必要があります。
 動作条件①では1台以上の処理装置が正常に稼働すればよいので並列接続、動作条件②ではすべての処理装置が正常に稼働しなければならないので直列接続と考えます。
並列システム
 どれか一つの装置が稼働していれば、システムとして稼働しているとみなせます。

  ┌────┐    ┌┤ 装置A ├┐   │└────┘│   │┌────┐│  ─┼┤ 装置B ├┼─  │└────┘│   │┌────┐│   └┤ 装置C ├┘    └────┘  

 システム全体の稼働率は、以下の式で求められます。
  1-(1-装置Aの稼働率) × (1-装置Bの稼働率) × …
直列システム
 直列システムでは、どれか一つの装置が故障すると、システム全体として稼働できなくなります。

 ┌────┐┌────┐┌────┐  ─┤ 装置A ├┤ 装置B ├┤ 装置C ├─  └────┘└────┘└────┘ 

 システム全体の稼働率は、以下の式で求められます。
  装置Aの稼働率 × 装置Bの稼働率 × …

 したがって、各動作条件における稼働率は、以下のようになります。
動作条件① … 並列接続
1-{(1-0.9)×(1-0.9)×(1-0.9)×(1-0.9)} = 0.9999

動作条件② … 直列接続
0.9×0.9×0.9×0.9 = 0.6561
 したがって、条件①の稼働率は、条件②の稼働率の約0.9999÷0.6561 ≒ 1.5倍となります。


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