基本情報技術者試験
2002年度 = 平成14年度・秋期
午前
問31
図はマルチタスクで動作するコンピュータにおけるタスク(プロセス)の状態遷移を表したものである。実行状態から実行可能状態への遷移が起こる場合はどれか。
ア
自分より優先順位の高いタスクが実行可能状態となった。
イ
ジョブスケジューラによってタスクが生成された。
ウ
入出力オペレーションが完了した。
エ
入出力オペレーションを要求した。
解答
ア
解説
タスク管理
の主目的は、複数のプログラムに対してCPUを割り当てる
マルチプログラミング
を行うことによって、CPUを効率よく利用することです。
プロセスの
状態
および
状態遷移
は、以下のようになります。
■
実行(running)
CPUを確保し、プログラムを実行している状態。
■
実行可能(ready)
CPUが割り当てられればすぐプログラムを実行できる状態。
■
待機(wait)
要求しているリソース、たとえば入出力機器が、空くのを待っているとか、メッセージが到達するのを待っているとか、何らかの待ち状態にあり、CPUを必要としていない状態。
①
実行可能状態から実行状態へ
CPUスケジューラ(CPU scheduler)
すなわち
ディスパッチャ(dispatcher)
によって、CPUを割り当てられたとき
②
実行状態から実行可能状態へ
自分より優先順位の高いタスクが実行可能状態となったり、自分に割り当てられた時間すなわち
クオンタム(quantum)
が終了したとき
③
実行状態から待機状態へ
プロセスが入出力動作を起動し、その完了を待たなければならなくなったとき、何らかのリソースが必要となり、それが空くのを待たなければならなくなったとき ※他の遷移と異なり、プロセス自らの操作によって生じる
④
待機状態から実行可能状態へ
入出力動作が完了したり、他のプロセスの命令により待ち状態が解除されたとき