基本情報技術者試験 2011年度 = 平成23年度・秋期 午前 問45

 モジュール設計書を基にモジュール強度を評価した。適切な評価はどれか。

〔モジュール設計書(抜粋)〕
 上位モジュールから渡される処理コードに対応した処理をする。処理コードが“I”のときは挿入処理、処理コードが“U”のときは更新処理、処理コードが“D”のときは削除処理である。

ア これは“暗合的強度”のモジュールである。モジュール内の機能間に特別な関係はなく、むしろ他のモジュールとの強い関係性をもつ可能性が高いので、モジュール分割をやり直した方がよい。
イ これは“情報的強度”のモジュールである。同一の情報を扱う複数の機能を、一つのモジュールにまとめている。モジュール内に各処理の入口点を設けているので、制御の結びつきがなく、これ以上のモジュール分割は不要である。
ウ これは“連絡的強度”のモジュールである。モジュール内でデータの受渡し又は参照を行いながら、複数の機能を逐次的に実行している。再度見直しを図り、必要に応じて更にモジュール分割を行った方がよい。
エ これは“論理的強度”のモジュールである。関連した幾つかの機能を含み、パラメタによっていずれかの機能を選択して実行している。現状では大きな問題となっていないとしても、仕様変更に伴うパラメタの変更による影響を最小限に抑えるために、機能ごとにモジュールを分割するか、機能ごとの入口点を設ける方がよい。

解答



解説

 モジュール強度は、一つのモジュールに含まれる機能の関連性であり、高いほど独立性・保守性などが高くなります。モジュールの強度を低い順に並べると次のようになります。
① 暗号的強度
関連のない複数の機能を含み、特定の機能を定義できないモジュール。
② 論理的強度
関連のある複数の機能を含み、どの機能を実行するかを引数で指定するモジュール。
③ 時間的強度
初期設定処理、終了処理など、同時に実行する複数の逐次的処理をまとめたモジュール。
④ 手順的強度
ある手続きを実現するために行う、複数の逐次的処理をまとめたモジュール。
⑤ 連絡的強度
手順的強度の性格をもつことに加えて、同一データを扱うことによって関連性をもったモジュール。
⑥ 情報的強度
特定のデータを扱う複数の機能がまとまっており、機能ごとに別の入り口点をもつモジュール。
⑦ 機能的強度
すべての要素が一つの機能を実行するために関連性をもったモジュール。
 正解はエ(② 論理的強度)です。
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