基本情報技術者試験 |
2015年度 = 平成27年度・秋期 |
午前 |
問27 |
OSI基本参照モデルの第3層に位置し、通信の経路選択機能や中継機能を果たす層はどれか。
ア セション層
| イ データリンク層
|
ウ トランスポート層
| エ ネットワーク層
|
エ
OSI(開放型システム間相互接続:open systems interconnection)基本参照モデルは、以下に示すように7層から構成されます。
- 第1層
:物理層
(physical layer)
- ビットの伝送によるデータ通信を成立させるうえで必要な電気的、物理的な規約であり、物理コネクションを活性化、維持、非活性化します。
- 第2層
:データリンク層
(data link layer)
- 情報をフレーム化し、隣接ノード間でのデータの送受のタイミングをとり、ビット列の付加による伝送誤りの検出と回復制御を行い、上位の層を物理的な伝送媒体にかかわる問題から切り離します。
- 第3層
:ネットワーク層
(network layer)
- 隣接する両端ノード間中継や最適通信経路設定(ルーティング)によってネットワークコネクションの設定・保持・開放を行い、このコネクションを介して透過的で誤りのないデータ転送を行います。複数の通信網を介する場合でも、適切な通信経路設定を行いますので、隣接しないシステム間の通信を可能とし、利用者が存在するシステム間のデータ転送機能を提供します。
- 第4層
:トランスポート層
(transport layer)
- この層の下位層を構成する各種通信網の品質の差を補い、伝送するデータの順序制御、多重化による効率的転送機能や、網内のデータ紛失に対する誤りエラー検出/回復、データの多重化などによる、透過的な両方向同時転送を実現します。データ転送のサービス品質が維持されていない場合はユーザへ通知します。
- 第5層
:セション層
(session layer)
- 論理的な通信路を確立し、順序正しいデータ交換を支援して応用プロセス間での会話(ダイアログ)を円滑に構成するために、普通データ転送と優先データ転送の送信権の折衝や管理、半二重や全二重のデータ転送モードの違いによるデータ送受信のタイミングの制御、例外報告などを行います。
- 第6層
:プレゼンテーション層
(presentation layer)
- データの互換、転送構文と送受信応用エンティティが使用する抽象構文の変換、暗号化、圧縮などを行います。
- 第7層
:応用層/アプリケーション層
(application layer)
- ユーザの業務プログラムなどがOSI環境でアクセスする手段を提供する規約であり、遠隔データベースアクセス、ファイル転送・アクセス管理、ジョブ転送・操作などを行い、応用プロセスが直接利用できるサービスのすべてを提供します。