第1種情報処理技術者試験 |
1995年度 = 平成7年度 |
午前 |
問27 |
図はオペレーティングシステムのタスクの状態遷移を表す。a、b、cの各状態に当てはまる組合せとして、正しいものはどれか。
| a
| b
| c
|
ア
| 実行可能状態
| 実行状態
| 待ち状態
|
イ
| 実行可能状態
| 待ち状態
| 実行状態
|
ウ
| 実行状態
| 実行可能状態
待ち状態
| |
エ
| 実行状態
| 待ち状態
| 実行可能状態
|
オ
| 待ち状態
| 実行状態
| 実行可能状態
|
イ
タスク管理の主目的は、複数のプログラムに対してCPUを割り当てるマルチプログラミングを行うことによって、CPUを効率よく利用することです。
プロセスの状態および状態遷移は、以下のようになります。
■実行(running)
CPUを確保し、プログラムを実行している状態。
■実行可能(ready)
CPUが割り当てられればすぐプログラムを実行できる状態。
■待機(wait)
要求しているリソース、たとえば入出力機器が、空くのを待っているとか、メッセージが到達するのを待っているとか、何らかの待ち状態にあり、CPUを必要としていない状態。
①実行可能状態から実行状態へ
CPUスケジューラ(CPU scheduler)すなわちディスパッチャ(dispatcher)によって、CPUを割り当てられたとき
②実行状態から実行可能状態へ
より優先度の高いジョブに割り込まれたり、自分に割り当てられた時間すなわちクオンタム(quantum)が終了したとき
③実行状態から待機状態へ
プロセスが入出力動作を起動し、その完了を待たなくなければいけなくなったとき、何らかのリソースが必要となり、それが空くのを待たなければならなくなったとき
※他の遷移と異なり、プロセス自らの操作によって生じる
④待機状態から実行可能状態へ
入出力動作が完了したり、他のプロセスの命令により待ち状態が解除されたとき
実行状態のタスクは、自分に割り当てられたCPU時間が終了すると、待ち状態ではなく実行可能状態に移行しますので、ウが正解です。