第1種情報処理技術者試験 1997年度 = 平成9年度 午前 問77

 分散処理システムに関する記述として、正しいものはどれか。

ア 集中処理システムに比べてシステム構成がシンプルであり、異常発生時の原因究明が容易なことが多い。
イ 集中処理システムを分散処理システムに再構築すると、運用要員を削減できることが多い。
ウ 必要なデータを必要な場所に置くことができる反面、運用が開始されてからも随時、データ通信の監視を行う必要がある。
エ 利用部門も業務アプリケーションの開発を分担するので、集中処理システムと比べてバックログがたまりやすい。

解答



解説

 センターで複数のコンピュータの集中的管理を行う集中処理システムと、複数のコンピュータが対等に対話を行う分散処理システムには、それぞれメリットとデメリットがあります。

  集中処理システム 分散処理システム
長所 ■センタに集中して対策を施すことによって、機密保護やセキュリティやデータの一貫性を維持・管理することが容易である。
■ネットワークの性能はシステム全体の性能にあまり影響を与えない。
■管理の集中化によって、人件費を節約できる。
■コストパフォーマンスが低くなる傾向がある。
■個々のシステムの資源管理が容易である。
■災害や障害の際の損害が局所化される。
■機能や設備が分散しているのでシステムの変更が容易。
■安価なシステムを組み合わせることにより、経済的なシステムの構築が容易である。
短所 ■一部の装置の故障がシステム全体の停止につながることが多く、災害や障害の際の修復作業は容易ではない。
■機能の拡張や業務量の増大に対応したシステムの拡張などが困難である。
■システムの規模が大きくなりやすい。
■規模が大きくなると、こまわりがきかないため新技術の導入が困難になりやすい。
■システム全体を効率よく運用するための運用管理が複雑になりやすい。
■異常が発生した際に、原因の特定が困難である。
■ネットワークにおけるデータの遅延が全体の性能を低下させる。
■情報の安全管理、末端での管理が困難である。


BohYoh.comトップページへ