第1種情報処理技術者試験 |
1999年度 = 平成11年度 |
午前 |
問31 |
HDLC手順において、フレームの伝送誤り検出方式として用いられるものはどれか。
ア CRC方式
| イ 群計数方式
|
ウ 垂直パリティ方式
| エ 水平パリティ方式
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ア
伝送制御手順の一方式であるハイレベルデータリンク制御手順=HDLC(High-level Data Link Control)は、ベーシック手順に比べて優れており、次のような特徴があります。
- OSI基本参照モデルのデータリンク層のプロトコルとして用いられる。
- 両端をフラグシーケンスで囲んだ、以下に示すフレームと呼ばれる一定量の連続送信する。
フラグシーケンス
| アドレス部
| 制御部
| 情報部
| FCS
| フラグシーケンス
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01111110
| 8ビット
| 8ビット
| 任意長
| 16ビット
| 01111110
|
- フレームの応答は受信フレームのまとまりに対して最後の1回でよく、確認応答を待つことなく連続送信できるため、伝送効率がよい。
- フラグシーケンス以外で1ビットが5個以上連続する場合に0ビットを挿入し、その0を受信側で削除するため、文字符号だけでなく任意のビットパターンの伝送が可能である。
- 両端をフラグシーケンス0111110で囲んだフレームと呼ばれる一定量の連続送信する。応答は受信フレームのまとまりに対して最後の1回でよいため、伝送効率がよい。
- 誤り制御方式として、単純なパリティチェック方式よりも高度な巡回冗長検査方式=CRC(Cyclic Redundacy Check)が採用されており、アドレス情報や制御情報なども検査の対象となっているため、信頼性が高い。
- 受信側でフレームチェックシーケンス=FCS(Frame Check Sequence)を用いて誤り検出すると、送信側へフレームの再生を依頼する。
- 同期の維持または適切な遅延時間をつくるために、フレームとフレーム間にタイムフィルタを挿入する。
HDLC方式で採用されているのは、16ビットの巡回冗長検査方式=CRC(Cyclic Redundacy Check)です。アドレス部、制御部、情報部を対象に、生成多項式
X16 + X12 + X5 + 1
を用いて、フレームチェックシーケンス=FCS(Frame Check Sequence)を計算します。なお、高度な信頼性が要求される場合の拡張仕様として32ビットを使用することもあります。