第1種情報処理技術者試験 1999年度 = 平成11年度 午前 問61

 ソフトウェア開発プロセスモデルのうち、ウォータフォールモデル、スパイラルモデル、プロトタイピングとそれぞれの特徴の組合せとして、適切なものはどれか。

a 開発初期の段階での試作を通して、ユーザインタフェースの確定や、応答性などの性能確認を行い、後続段階での仕様変更による手戻りのリスクを防ぐ。
b 開発プロセスを繰り返しながら改良していく成長型モデル。各繰返しで、開発コストや品質などからリスクを評価し、リスクが最小となるプロセスをとる。
c 要求分析、システム設計、製造、テスト、運用・保守の順に逐次実行される一連の段階的工程からなる。

ウォータフォールモデル スパイラルモデル プロトタイピング

解答



解説

a プロトタイピング(プロトタイプモデル)
 システム開発の早い段階で、目に見える形で利用者が要求を確認できるように試作品(プロトタイプ)を作成して、ユーザに試用してもらった評価を反映させながらプロトタイプを改良し、ユーザの要求や仕様を確定していく成長型の開発モデルです。
 利用者の要求を明確にして開発者にフィードバックし、利用者と開発者の認識の違いやあいまいさを取り除き、最終段階での食い違いを減らすことができます。利用者の参画意識の向上も期待できます。
 特に、比較的小規模のアプリケーションの開発において効力を発揮します。
 作成するプロトタイプは、あくまでも試験・評価用ですが、実際にコンピュータ上で動作するものでなければなりません。また、仕様が確定した段階で改めて本格的なシステムを開発することもあります。

b スパイラルモデル
 開発プロセスを繰り返しながら改良していく成長モデルを改良した方法です。各繰返しで、開発コストや品質などから評価したリスクが最小となるプロセスをとります。機能分割と段階的な機能追加の繰返しによって、大規模システム開発に有効です。

c ウォータフォールモデル(水流モデル)
 システム開発を要求分析、システム設計、製造、テスト、運用・保守といった一連の段階的工程に分け、前段階の工程で得られた結果をもとに、後戻りすることなく順に開発・保守を進めていくシステム開発手法です。


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