第1種情報処理技術者試験 1999年度 = 平成11年度 午前 問63

 構造化設計から得られるモジュール分割の良否を、モジュール結合度の視点から判断するときの記述として、適切なものはどれか。

ア ソフトウェア全体のモジュール分割の良否は、モジュール間の結合度のうちで最も弱いものがどのレベルにあるかで判断するのが望ましい。
イ データ領域は、すべてのモジュールからアクセスできるようになっていることが望ましい。
ウ モジュール構造図で遠くにあるモジュール間は、共通のデータ領域を介して情報を交換する方式が最も望ましい。
エ 呼び出す側と呼び出される側のモジュール間はすべて、データ項目だけを引数で受渡しするのが最も望ましい。

解答



解説

 モジュール結合度は、他のモジュールとの関連性であり、低いほど独立性が高くなります。以下、結合度の強い(独立性の低い)順に解説します。
①内容結合
あるモジュールが他のモジュール内のデータを直接参照し、他のモジュールの内容の一部を共有します。
②共通結合
プログラムの共通域に定義したデータを、それに関連するモジュールが共有して参照します。
③外部結合
外部変数として宣言したデータを、関連するモジュールが共有して参照します。
④制御結合
制御情報を、呼び出すモジュールに与え、呼び出すモジュールの実行に影響を与えます。
⑤スタンプ結合
二つのモジュールが同じデータ構造を持ち、同じ高い型をするデータの受け渡しをします。
⑥データ結合
二つのモジュール間で、データ要素のみをパラメタとして受け渡しします。
 ソフトウェア全体のモジュール分割の良否は、モジュール間の結合度のうちで最も弱いものがどのレベルにあるかで判断するのではなく、システム全体における結合度の分布などで判断すべきです。

 データ領域は、すべてのモジュールからではなく、関連するモジュールのみからアクセスできるようになっていることが望ましいです。

 モジュール構造図で遠くにあるモジュール間を、共通のデータ領域を介して情報を交換する共通結合は、のデータ結合に比べると劣ります。

 呼び出す側と呼び出される側のモジュール間を、データ項目だけを引数で受渡しするデータ結合は、最も結合度が低いという点で好ましいです。


BohYoh.comトップページへ