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柴田望洋の教え
“~じゃないですか”言葉はやめよう。

 最近テレビを見ていると、芸能人ばかりか、比較的教養のある人までもが、会話の文書の末尾に
   "~じゃないですかぁ。"
を連発している。これは、非常に聞きづらいばかりか、目下の人に言われると、馴れ馴れしく感じて、場合によっては腹立たしくも感じる言葉である。
 そもそも、
   「あのとき私はきちんと確認したじゃないですか。」
という例からもわかるように、この表現は、一応は丁寧ではあるものの、キツい感じも与える。あるとき、私の研究室を訪ねてきた学生が、

  … そもそも僕はアルバイトをしてるじゃないですか。
  … C++って、Cに比べて難しいじゃないですか。
  … 他の本と違って、先生の本は、分かりやすいじゃないですか。

 おそらく僅か数分の間に、百連発?!?(ちなみに、初めての学生であって、アルバイトしている話しも初耳でした)。
 目上の人にこのような言葉づかいをすると、
   ● 馴れ馴れしく、失礼な感じを与える。
   ● ただ意見を述べているだけのつもりでも、同意を強要しているように取られる。
など、悪いところだらけである。このような言葉遣いは慎もう。芸能人の真似をするな!!
 普段から練習しておかないと、就職活動の面接のときにポロッと出てしまうぞ。

  … そもそも大学って高校までと違って自由じゃないですかぁ。
  … 最近はインターネットがはやっているじゃないですかぁ。
  … 一次面接では、この問題を解くように言われたじゃないですかぁ。

 そうすれば必ずやマイナスの印象を与えるだろう。人間イザというときは、"普段"が出てしまうものである。普段から、気を付けておこう。


柴田望洋『コンピュータ演習-1998年版-』(講義プリント)に加筆訂正

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