BohYoh.comトップページへ  CプログラマのためのC++入門
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はじめに
 オブジェクト指向プログラミングに対する感心が高まってきています。C++は、C言語にオブジェクト指向的な要素を取り入れた言語です。C言語の効率の良さを損なうことなく、オブジェクト指向的な味付けがされたC++は、C言語の次代を担う言語として注目を浴びています。
 本書はC++の入門書です。読み進める上で、C++やオブジェクト指向に関する知識を前提とはしません。しかし、タイトルにも示しているように、
  C言語を理解している人を対象とする
ことにしています。すなわち、読者にはC言語や簡単なプログラミングに対する知識があることを前提とします。もちろん、ここでのC言語はいわゆる伝統的なK&Rではなく、ANSI規格のC言語です。C++とANSICは互いに影響を与えながら成長してきました。したがって、本来C++特有の機能であったものの一部は、既にANSICでも取り入れられています。
 C++は、発展途上の言語です。現在はANSIでも規格の制定の準備に入っています。本書は数多く存在するC++のバージョンの中で、
  Release2.1~Release3.0相当のC++を対象とする
ことにします。もちろん、必要に応じて古いバージョンとの違いを解説しています。  C++がもてはやされる現実とは逆に、『C言語に長く親しんだ人ほど、なかなかC++に移行できない』という奇妙な現象が見受けられます。クラスの概念の導入によるオブジェクト指向的なプログラミングになかなか馴染めない人が多いようです。
 さて、皆さんが最初にC言語プログラミングを学び始めた頃を思い出して下さい。最初は「配列」や「構造体」というものが、そもそもなぜ必要であるかなかなか理解できなかったと思います。そして、プログラミングに慣れる内にいつのまにか身についてしまったはずです(しかし初心者に配列の意味や、その必要性を説くのは、それはまた難しい問題です)。
 C++には、C言語にない新たな機能(クラスの概念など)がたくさんあります。そこで本書はC++特有の事項の文法的・表面的な解説にとどまることなく、
  C言語にはないC++特有の機能がなぜ必要なのかを系統的に解説する
ことにしました。CからC++への拡張を、段階的に体験しながら学習できるように配慮しています。なるべく分かりやすく解説したつもりです。
 この本を読んでオブジェクト指向的な考えを取り込んだC++に慣れ親しんでいただければ幸いです。

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