BohYoh.comトップページへ  C言語プログラミングの落とし穴
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はじめに
 物事の上達というのは、とても長い道のりです。この本を手にとったあなた自身は、C言語に関してどのような道のりを歩いてきたでしょう。それは正しい道のりだったでしょうか。
 著者は、プログラミングを志す多くの人と接してきましたが、正しい道のりを上手に歩いてきたと思える人は、あまりいないようでした。特に強く感じるのが、知識の偏りです。たとえば、自分のよく使う文法やプログラミング技術には精通しているのに、思わず『えっ?』と叫んでしまうほど、基礎的な知識が欠けている人が多いのです。
 『C言語をきわめる』ことを、一つの山と考えてみましょう(これを「C山」とでも呼びましょうか)。C言語に入門するということは、C山の全体像を見据えたまま山のふもとに立つことです。それから、一歩一歩とその山を登って行くことなりますが、どのように登るべきでしょう。何よりも、最短のコースで頂上まで登れた方がいいでしょう。そのためには、常に山の全体像を見失うことなく、さらに現在の自分の到達位置をきちんと把握する必要があります。自分が必死に山を登っているつもりでも、実は下り坂ということもあるかもしれません。もしそのような事態に気付いたら、すぐに軌道を修正しなければならないでしょう。険しい崖や落とし穴も待ちかまえています。正しい知識で、これらを避けなければなりません。
 このようなことは、著者が説明するまでもなく、皆さんは『学問に王道なし』という諺としてご存じのことだと思います。

 さて本書は、『Cマガジン』に現在連載中の『Dr.望洋のプログラミング道場』の1992年8月号~1993年7月号の文章に加筆・再構成したものです。この連載は、読者からの質問や相談、さらには著者の周囲に起こった失敗談などをネタに解説しています。対象レベルには多少の幅がありますが、初心者や中級者予備軍の陥りやすいワナや落とし穴を数多く紹介しています。また、C言語指導者が知っておくべきであるにも関わらず、あまり理解されていないと思われる事項にも言及しております。全10話構成としてまとめていますが、内容的に広い範囲をカバーしていますし、線形リストや2分木など実用的なプログラム例も含んでいます。
 なおCからC++へ移行する人が徐々に増えているという現状を考慮し、ColumnなどにおいてC++に関する補足を適宜行っています。CからC++への道の補助知識を得ることもできるでしょう。
 少しでも軽快にC山を登るためのガイドブックとして、本書を御利用いただければ幸いです。

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